登山の時に気をつけなくてはいけないことの一つが、スリップによる転倒。
転んだ拍子に足首を捻挫したり、手をついて手首を骨折したりと、山の中では大変な事故に繋がります。山道の歩き方で防げる部分もありますが、有効な手段の一つが滑りづらいトレッキングシューズを履くこと。
私は今まで屋久島でアウトドアガイドの仕事柄、いくつもの登山靴を試して来ました。その中で、モンベルの登山靴を使用したところ、圧倒的に滑りづらく、転倒の回数が目に見えて減ってきたことを実感。
この記事では、現在滑りづらい登山靴をお探しで悩んでいる方に、モンベルの登山靴を全力で解説します。
登山中にスリップする回数が目に見えて激減
正直、登山靴は滑るものだと思っていた
私が、屋久島でガイドを初めて15年以上ほど。色々な靴を試してきました。私が屋久島の山を歩くときに靴に求めることは
- 滑りづらいこと
- 防水性と耐久性があること
- 長時間の歩行でも足にトラブルが起きないこと(痛み・マメなど)
- 良心的な値段(コスパ優秀)であること
などが重要なポイントになってきます。その中でも一番重要なのはグリップ力のある滑りにくい靴であるということ。
ご経験のある方はお分かりかと思いますが、滑りやすい靴は事故の元になるだけでなく、滑らないように歩くために足の筋肉を酷使し、非常に疲れます。
一般的に登山靴は重たい荷物を背負った時に足裏の筋肉をサポートできるよう、靴裏のソールが硬めに作られています。この硬いソールが逆に仇となり、濡れた木の根などに足を置くと、グリップしきれず滑る原因となってしまうのです。
かつては滑ることを避けるために、ソールが柔らかいゴム長靴や足袋などで、山を歩くこともありました。ですが、足への負担が大きく、毎日のように山を歩いていると疲労の蓄積も大きかったです。
唯一、登山靴として滑りずらかったのはファイブテンのガイドテニーという靴。ファイブテン社はクライミングブーツで有名なメーカーで、ステルスソールというやはりグリップ力が優れた靴を出しています。
このファイブテンのガイドテニーをしばらくは使っていたのですが、耐久性の低さがやや不満でした。
アウトドア雑誌の編集者から教えてもらったモンベルの登山靴
モンベルといえば衣類からリュックやテントや寝袋など、アウトドア全般のアイテムの総合メーカー。圧倒的な数の商品を展開する日本を代表するアウトドアブランドです。
登山靴に関しても豊富なラインナップがあり、お手軽なハイキング仕様のものから、本格的なアルパイン向けのものまで多種多様です。
このモンベルの登山靴に備わっている「トレールグリッパー」というオリジナルの新素材のソール。このソールが驚くほど滑りにくいと教えてくれたのは、アウトドア雑誌を専門に作っている編集者の方でした。
その話を聞き、早速購入して試してみました。
モンベルの登山靴のトレールグリッパーは本当に滑りづらかった
屋久島の登山道は木の根や木道が多く、雨が降った時はもちろんのこと、雨が止んだ後でも登山道は濡れていて、滑りやすいものばかり。
私もガイド中にスリップする事がよくありました。幸い、大きな怪我につながったことはないのですが、それでも何度もスリップしていればいつかは大きな事故に繋がる可能性があります。
ところが、この靴を履き始めてから、ガイド中にスリップすることが目に見えて減ったのが実感できました。おかげで、登山中の安全度が一気に高まり、やっと安心して使える登山靴に巡り会えました。
滑らない秘密は新素材のトレールグリッパーにあり
このモンベルの靴の驚異的なグリップ力の秘密はソールに使われている『トレールグリッパー』という素材にあります。
本家モンベルのホームページを覗いてみると、一般的な登山靴のソールより1.5〜倍の静止摩擦係数(すべらなさの指数、乾燥湿潤状態で違う)だそう。
自分の経験から他の登山靴よりは滑りづらいのは実感できますし、ネットでの評判も良いようです。細かい話で恐縮ですが、屋久島の登山道では木の根だけではなく、花崗岩に足を置く事が多いです。
この屋久島花崗岩の中には『正長石』というこぶしより一回り小さいサイズの結晶が含まれています。先述したファイブテンはこの結晶の上に足を置くと、時々滑ることがありました。
ですが、モンベルのトレールグリッパーソールはその正長石でも滑らないのです。
滑りにくさだけじゃない ゴアテックス製で防水しっかりなのにこのお値段
靴の善し悪しは実際に現場で利用してみないとわからないものです。僕は屋久島でハイシーズンなら1ヶ月に縄文杉へ20キロのリュックを担いで10回前後往復します。
そんなヘビーユーザーでも十分に使える信頼性があります。また、雨の多い屋久島でも使えるゴアテックス製です。
にもかかわらず、登山靴としては抑えめのお値段で2万円前後という、初めての登山靴を購入する方でもトライしやすいお値段。
モンベルは日本のメーカーですので、比較的足の幅が広いつくりとなっており、日本人の足に合いやすい形です。初めて登山靴を履く方にも比較的、足に合いやすいサイズを探すことができるのではないでしょうか。
登山は靴選び一つで、安全度や歩きやすさが変わります。
もし初めての登山靴で迷われるのであれば、一度お店で試着してみることをお勧めします
モンベルは登山初心者にちょうどよく、経験者も満足できる登山靴
初心者でも挑戦できる、屋久島の縄文杉や白谷雲水峡ほどのトレッキング程度であるならば、重量感のあるガチガチの登山靴である必要はありません。
「軽量」で「固すぎないソール」そして「買いやすい値段」というところもオススメのポイントです。
ネット注文でも必ず試着してみよう!
近くにモンベルのお店があるのなら、実際に試着してみることをお勧め致します。
店員さんが丁寧に履き方から、足の合わせ方を教えてくれますし、なによりも自分の足に合った靴を選ぶのが最優先だからです。
ただ、近くにモンベルのお店が無い場合は、ネット通販で買うのもありかと思います。その際は返品ポリシーをよく読んで、足に合わなかった場合に返品可能かどうかをチェックして下さい。
<自分で出来る靴の試し履きの方法>
- 靴下は登山時に使う登山用を用意
- 靴に足を入れ、つま先を持ち上げてかかとをトントンと併せる
- ひもを緩すぎず、きつすぎず足先からしっかり締める
- 足先が靴の中でもぞもぞと動かせるくらいに余裕があるかチェックする
- 足幅がきつすぎないかチェックする
これらのチェック項目でしっかりチェックしてから買うか返品するかを判断しましょう。
ただ、実際に山に行ってからやっぱり足に合わなかったということもあるので(私も良くあります)、本当にシンデレラフィットする登山靴を探すのってすごく大変なんです。でもこればかりは1日山で履いて、試してみなければ分からないですね。
モンベルの靴をもっと快適に履くためにインソールとソックスにこだわる
付属のインソールもクッション性があり悪くないのですが、ぼくはシダスのインソールに交換しています。
どんな登山靴でも、長時間使用した時に、足裏の痛みが出てきてしまうので、インソールを交換することで快適性がアップします。十分コスパのよいモンベルの登山靴ですが、インソールの交換するだけでワンランクアップしますよ。
そして、登山用のソックスがとても重要。厚めのソックスで足を保護する役割があります。
そのため、アウトドアショップで靴の試着をする時に必ず登山ソックスに履き替えます。もし、まだ登山用ソックスを持っていないという方は以下の記事が参考になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
私は屋久島でエコツアーガイドをして15年以上になりますが、今回本当に納得できる靴に出会えたので、モンベルさんの回し者のように(笑)オススメしてしましました。
登山靴はフィールドでは本当に大切な道具の一つです。ファッション性も大事ですが、自分にあったしっかりとしたものを使うことで、怪我を減らし、時に命を守ります。
せっかくの屋久島登山で事故にあったりしないように、まずは足元からしっかりとした道具を使ってみてはいかがでしょうか?