日帰りのトレッキングや、1泊程度の縦走が中心の方には、ある程度、ソールの剛性が高いトレッキングシューズがおすすめ。
だけど、ソールがしっかりしたトレッキングシューズは重量のあるものばかり。かといって、軽量なものはソールが柔らかすぎて、なかなか丁度いいトレッキングシューズがないのも事実。
そんな中、軽量ながらある程度しっかりとしたソールの硬さと安定感があるのが、スイスのアウトドアメーカー「マムート」のトレッキングシューズデュカン ハイGTX。
一番の特徴は、ソールに仕込まれた波型の形状をしたステンレススチールのシャンク。このシャンクのおかげで、着地時の靴底のねじれがおさえられ、歩行時の蹴り出しもスムーズ。加えて本体が軽量な為、軽快に歩みを進めることができます。
全体的な印象は、しっかりしたソールを持つスピードハイク向けのトレッキングシューズといったところ。推進力がありながら、安定感もあり、日帰りや1泊のトレッキングにおすすめしたい一足です。
ということで、本記事ではマムート デュカン ハイGTXについてブログレビューします。
⬇トレッキングシューズをもっと詳しく知りたい方は下記の記事が参考になります。
マムート デュカン ハイGTXの外観・スペック
スイスのアウトドアメーカー「マムート」、マンモスマークのロゴが印象的で人気のブランドです。アウトドアアパレルの印象が強いかもしれませんが、2009年頃に同じくスイスの登山靴メーカー「ライケル」を買収しています。ということで、マムート登山靴も実は実力のある製品が多いのです。
重量 | |
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重量 | 560g(実測:28cm片足) |
防水素材 | GORE-TEX Extended Comfort Footwear |
ソール | Vibram Flextron |
全体的なシルエットはヨーロッパブランドらしく、細身です。なので、筆者も普段はトレッキングシューズは27.5cmを選ぶのですが、今回は28cmをチョイスしました。
マムート デュカン ハイGTXの全体的なフォルムはスッキリとした印象。
横から見ても、スッキリとしたフォルムです。そのおかげか、実際、足さばきも良いです。
波型のスチール製シャンクが内蔵された「フレクストンテクノロジー」
そして、外観からはわからないのですが、ソールに内蔵されているのが「スプリング型スチール製のシャンク」。これがこのマムート デュカン ハイGTXの一番の特徴で、「フレクストンテクノロジー」と呼ばれています。
ソールの芯となる部分に内蔵されたこのシャンクのおかげで、着地時のソールのねじれをおさえたり、曲げられたシャンクが復元する力を利用して、蹴り出しをスムーズするなどのメリットが得られます。
足場の悪い道でも、ソールがねじれるのを防ぐので安定性が高まり、怪我のリスクが減るのも見逃せないメリットです。
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マムート デュカン ハイGTXの詳細
マムート デュカン ハイGTXの各部の詳細を見ていきます。
マムート デュカン ハイGTXのアッパー・紐
マムート デュカン ハイGTXのアッパーはメッシュ素材を多用し、ムレの軽減を促す作りになっています。
防水透湿性素材の「GORE-TEX Extended Comfort Footwear」が内蔵されています。GORE-TEX Extended Comfort Footwearは温暖な環境だったり、発汗が多いプロダクトに採用されるモデルです。
この部分でも、このトレッキングシューズがアクティブに歩くことを想定して作られたことが伺い知れます。
シューレースは一般的なタイプではなく、左右非対称な形。足の形に合わせて、締めることでよりフィット感を高める作りとなっています。
また、マムート デュカン ハイGTXが特徴的なのはアッパーから足首を包み込むように一体化して、繋がっている「タン」部分。この構造にすることで、歩行中に起こるタンのズレがなく、より高いフィット感を維持することができます。
実際、履いてみると地下足袋を履いているようなフィット感があり、足の動きに合わせて素直にトレッキングシューズがついてくる印象です。
また、より足との一体感を高めるために、アッパーは足の方に合わせて立体成型されています。
上の2枚の写真でくるぶし付近を見ると、わずかな盛り上がりが見られます。足の形状に沿って立体的にアッパーが作られているのも、高いフィット感の理由です。
靴の紐は丸紐タイプ。
紐を締める時はスムーズに行えるので、フィットさせやすいのですが、逆に緩みやすいかも知れません。金属のフックは紐をしっかりとロックするタイプなので、紐を上からかけることで抵抗を増やすと、緩みにくくなります。
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マムート デュカン ハイGTXのソール・インソール
続いて、ソール部分についてブログレビューします。
アウトソールはビブラム社製を採用。
ブロックの大小のサイズを織り交ぜて、多方向に向いたタイプ。様々な方向のグリップに長けています。
先端部分までしっかりとブロックが配置されています。マムート デュカン ハイGTXは、歩行時に最後までしっかりと足を蹴り出せる作りになっています。岩場や木道歩きが多いところより、不整地が続くトレイルをしっかりスピーディーに歩くのに適したタイプです。
続いてインソールを取り出してみました。
比較的薄型のインソールです。裏を見ると、多数の穴が開けられています。デュカンで採用されている防水透湿性素材の「GORE-TEX Extended Comfort Footwear」は、靴底からも湿度を放出するタイプ。なので、靴底から放出された水蒸気が、インソール部分も通過できるように空気の通り道が作られています。
この機能をしっかりと働かせるためにも、できるだけ付属のインソールを使用したほうがいいみたいです。
マムート デュカン ハイGTXの重さ・歩き心地
本体の重量を確認します。28cmのサイズで片足560gでした。
マムート デュカン ハイGTXはこれだけのスペックと、スチール製のシャンクが入っていながら、560gに抑えられているのも見事。十分、軽量なトレッキングシューズということができます。
また、かかかとのホールド感も良いのが特徴です。外観から確認すると、かかとから足首方面にかけて、まるでサポートテープを巻くかのように、補強材が組み込まれています。
その補強材の先はシューレースに繋がっているので、紐を締め込むことにより、踵のホールド感を出す仕組みになっています。
マムート デュカン ハイGTXのソールの硬さ
続いて、トレッキングシューズの性能を左右するソールの硬さについてです。
マムート デュカン ハイGTXは力を入れてやっと曲がるというくらいのソールの硬さ。
実際に履いてみても、ハイキングシューズよりはソールが硬く、日帰りトレッキングにちょうど良さそうな感じでした。トレッキングに慣れた人なら20kg程度の荷物を背負って、1泊縦走くらいはできるでしょう。
ただ、岩稜帯が多いような登山になると、もう少ししっかりとした靴のほうが良さそうです。軽量な道具で日帰り〜1泊程度のトレッキングを軽快に歩く、そんな時に活躍するトレッキングシューズかもしれません。
ソールのヒール末端はややカーブしていて、足の着地から蹴り出しがスムーズになる作り。
つま先先端部もやや反り返るようにカーブしています。
このあたりも、マムート デュカン ハイGTXの独特な推進力を生む秘密になっていそうです。
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マムート デュカン ハイ GTXは軽快でしっかりなスピードハイク向けトレッキングシューズ|まとめ
以上、マムート デュカン ハイGTXについてブログレビューしました。
マムート デュカン ハイGTXは軽快ながら、ソールに内蔵された波型のスチールシャンクのおかげで、しっかりと安定性のあるソールとなっています。
さらに、そのスチールシャンクがスプリングの役割をすることで、適度な反発力があり、前方への推進力を生み出しています。スムーズに足が前へ行く感じがあるので、軽快に歩きたいスピードハイカーにもおすすめです。
一方、重たい荷物を背負って、岩場の多い場所を歩くような登山には、少し役不足かも知れません。もう少し、ハードな登山靴のほうが良さそうです。
しかしながら、ハイキング〜日帰りトレッキング、慣れた人なら1泊縦走まで使える応用範囲の広いトレッキングシューズであることは間違いないです。
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