キャンプやテント泊登山に必要になる寝袋。シュラフは色々あって、どれにしたらいいのか悩むもの。
本ブログでもいろいろなアウトドアメーカーのダウンシュラフを「おすすめのダウンシュラフ」として別記事で紹介しています。
もし、これから初めて寝袋を買うというなら、モンベルダウンハガー800#3がバランスもとてもオススメ。(本記事のモデルは旧モデルとなりましたが、まだ購入できるお店もあります。ストレッチ性が高いので、欲しい方は早めにどうぞ。)
その理由は、
- 価格の割に高性能で軽量
- 長く使える良質のダウンを使っていて暖かい
モンベルの寝袋はダウンを使ったものから、化学繊維を使ったものまで、幅広いラインナップがあり、どれを選んでいいか悩むもの。
しかし、春〜秋にかけてのキャンプや、低山のテント泊トレッキングで使うなら、このモンベルのダウンハガー800#3は必ず候補に挙げておきましょう。
筆者は仕事柄、山で寝袋にくるまって寝ることが、多い時は年に40日くらいあることも。いろいろな寝袋を試しましたが、モンベルは使い勝手もよく、おすすめできるシュラフです。
本記事ではオススメなモンベルのシュラフと選び方について解説します。
寝袋の選び方の基本|保温素材の性質を知ることから
寝袋を選ぶときのまず基本は保温素材に選ぶことから。寝袋に使用される保温素材は大きく分けて、
- 「ダウン」
- 「化学繊維」
を使ったものに分けられます。
- ダウンは軽くて暖かいが、水にすごく弱い。
- 化学繊維は重くかさばるが、水に弱くない。
少しでも軽さを追求したい登山で使うならダウンの方にメリットがあります。その代り、湿気や濡れに対して弱く、使用するのにコツが必要です。
一方、「化学繊維」で出来たものは重量があるものの、多少濡れても保温力が落ちづらいというメリットがあります。
自転車やバイクツーリング、オートキャンプなどで、持ち運びの重量に対してシビアでなければ、化学繊維のシュラフの方が濡れに対して神経質になりすぎることなく使えます。
登山で使用する寝袋ならコンパクトになるダウンのものがおすすめ
登山などで持ち運びの重量にこだわるなら、ダウンを選ぶのが基本的な考え方です。
登山でテント泊をする場合は寝袋以外にもたくさんの荷物を人力で持って登るので、荷物を少しでも軽くするのが鉄則。
寝袋が濡れることへの不安はありますが、軽さとコンパクトさを追求することも大切になってきます。
登山向きダウンシュラフ(寝袋)の選び方とおすすめはこちらの記事へ
安くて高品質|モンベルの寝袋はダウンの品質で分けられている
モンベルのダウンシュラフのシリーズはたくさんあって、選ぶのに迷ってしまうほどです。
ダウンシュラフだけでも
- ダウンハガー900
- ダウンハガー800←今回のご紹介はコレ
- アルパインダウンハガー800
- ダウンハガー650
- アルパインダウンハガー650
などがあります。
シリーズ名の中にある900とか800とか650という数字は、ダウンの品質であるフィルパワーを表していて、数字が大きいほど高品質です。
900フィルパワーは軽くて温かい相当良いダウンです。
800フィルパワーは最近アウトドアでは標準的な品質(といっても相当良い品質ですが・・・)。
650フィルパワーを使ったものは値段が安く抑えられるというメリットがありますが、多少重量が増えます。
さらにモンベルのダウンシュラフは、それぞれダウン量によって細かく分類されているので、トータル30種類以上のモデルから選ぶことになります。
細かく分けられているおかげで様々なニーズに対応できるのですが、どんなシチュエーションでも対応できる万能のモデルはありません。
なので、自分が使うシチュエーションを想定して選ぶ必要があり、これがとても難しいのです。
モンベルのシュラフに表記されている使用可能温度はどのくらい参考になるか
モンベルのシュラフの対応可能温度を詳しく見てみましょう。
モンベルのカタログで表記されているシュラフの対応温度表示は、欧米で使用されているものを採用しています。日本人の肌感覚は欧米の方よりも暑さが得意で寒さが苦手。
なので、表記された温度を鵜呑みにしてしまうと、「思ったよりも寒かった」ということになるかもしれません。
例えば、ダウンハガー800#3の対応温度は
- コンフォート温度3度まで
- リミット温度マイナス2度まで
となっています。
実際にダウンハガー800#3をコンフォート温度の下限である3度の環境下で使うとなると、
「冬用のアンダーウェアを装着+フリース+ダウンジャケット+ダウンパンツ」
くらいは着用しないと寒くて眠れないかもしれません。
山では寒くて熟睡できなくても、体が休まればいいというストイックな考えもありますが、就寝時に温かいほど血行が良くなり疲労回復が図られます。
もし、暖かくして眠りたいと言うのであれば、多少重量が増えても、コンフォート温度で眠れるモデルを使いましょう。
応用範囲が広いモンベルダウンハガー800#3
個人的な感想を言わせてもらうならば、3シーズンの低山なら品質面・重量面・料金面と合わせて考えると「モンベルダウンハガー800フィルパワー」がコストパフォーマンスが高く、間違いのないモデルです。
ただ、冬はこのシュラフ単体だと寒いので、#2や#1などのもっと温かいモデルを使用することをオススメします。
登山向きダウンシュラフ(寝袋)の選び方とおすすめはこちらの記事へ
モンベルダウンハガー800#3の季節ごとの使い方
それでは、ここからは私が普段、標高2000m以下の登山やキャンプで、このシュラフを使っている使用感をレポートします。
私は4月頃〜11月頃まで、モンベルダウンハガー800#3を中心に、ダウンジャケットなどを組み合わせて使用しています。
夏の6月・7月・8月・9月の利用方法
モンベルダウンハガー800#3を単体で
日によってはシュラフはいらないくらい暖かい日もありますが、それは特別な日であって基本的には持っていったほうがいいです。
この時期は暑いので、シュラフのジッパーを全開にして、涼しくし、掛け布団的に使うようにしています。
春の4月・5月と秋の10月・11月頃の利用方法
寒ければダウンジャケット&パンツの組み合わる
この季節は寒い日もあるので、ダウンハガー800#3単体では寒く、ダウンジャケットと場合によってはダウンパンツを併用するときがあります。
モンベルダウンハガー800#3と他の保温着の組み合わせで使う基準
感覚としてはダウンハガー800#3の使用感は、山での最低気温が10度前後の時だと薄手のフリースを着ればちょうどよく、それ以下の温度ならばう少し暖かさが欲しくなり、ダウンジャケットを併用します。
山での最低気温が0度前後になると、それでも足りず、ダウンパンツやダウンソックスを併用し、やっと暖かく眠れるといった状況です。
テントに寝るか、それとも人が多い山小屋で寝るかにもよりますが、モンベルダウンハガー800#3の場合だと以上のような使用状況です。
保温力を上げるマットの重要性
シュラフで寝る時は、地面からの冷えとクッション性を確保するために、マットを敷きます。
このマットの品質(保温・断熱性)によっても、寝袋の暖かさが全然違います。
私が使用しているのはサーマレストネオエアーXサーモ。
氷の上でもコレがあれば眠れるという謳い文句です。
確かに、マットを変えるだけで、シュラフをランクアップしたかのような暖かさです。
シュラフが対応温度内なのに、寒いなと感じている方はマットを変えてみて下さい。
ダウンハガー800#3のサイズ・使用感・値段
モンベルダウンハガー800#3サイズ
私は身長180cmありますが、ダウンハガー800#3の普通モデルを使っています。
使用感としては窮屈というほどではないが、余裕があるわけでもないといった感じです。身長175cm以上で余裕がある方が好きならば、ダウンハガー800のロングモデルを使用したほうがいいです。
逆に小柄な女性などはダウンハガー800のwomen’sモデルを使用するといいでしょう。
モンベルダウンハガー800#3ストレッチ性
このダウンハガー800#3は伸縮性がありますので、就寝時に程よく体にフィットします。ダウンは体温が伝わって暖かくなると、ふわっと大きく広がり保温力は高まります。
シュラフ内部に余計な空間が多くなるよりは、体に密着しずぎない適度な空間があるほうが、保温力が高まります。
また、シュラフをモンベルダウンハガー800の生地と縫製はとても良く、羽毛が抜けることがほぼありません。
サイドのジッパーが生地にかんで開け示しづらいということもほぼありません。
ジッパーは足元から開くこともでき、暑くて換気したい時は足元だけ温度調整することも可能です。
モンベルダウンハガー800#3の値段
これだけのスペックでお値段が定価27500円であるならば、コストパフォーマンス的にも申し分ないでしょう。それどころかかなり安く感じてしまいました。
ダウンの品質を考えると、とてもお買い得のアイテムです。そして、これだけの完成度の高さだと、今後小さなアップデートはあるでしょうが、買い換えたくなるほどの大幅なモデルチェンジも考えづらいと思います。
管理さえしっかりしておけば、10年は使えるアイテムに違いありません。
Q & A どの程度の山と季節で使える?
モンベルダウンハガー800#3の対応気温を本州の山に当てはめると、7月8月頃の2,000m程度の山か、低地でのキャンプに適していると思います。
秋や春の使用を考えるならば#3ではなく、#2や#1などのもっと温かいモデルを使用したほうが良いでしょう。
Q & A 他のシュラフメーカーと比べて性能の違いは?
日本国内メーカーのナンガのシュラフやイスカもとてもいいメーカーです。
私はナンガのシュラフも持っていますが、細かなギミックは違うものの、寝心地や使い勝手に大きな差は感じません。
つまるところ、ダウンのシュラフはちゃんと暖かく、羽毛が抜けないように縫製と生地がしっかりしていればいいのではないかというのが私の考えです。
類似商品
⬇本記事のダウンハガーをリニューアルしたシームレスダウンハガー。性能はほぼ一緒ですが、表生地の縫い目をなくしたことでより軽量に!
⬇国内メーカで人気のナンガ。
⬇こちらも評価の高い国内メーカーのイスカ
⬇登山向きダウンシュラフ(寝袋)の選び方とおすすめはこちらの記事へ
まとめ:モンベルのダウンハガー800#3は低山や夏を中心としたテント泊登山におすすめ
モンベルのシュラフは保温素材の種類、ダウン品質の違い、ダウン量の違いなど多種多様に別れていて、選ぶのが難しいです。
なので、最初に基本のモデルを使ってみて、そこから自分の山のスタイルに合わせて買い足していくのがいいでしょう。
屋久島ならが#3あたりが使い勝手がいいのですが、本州の2000mを超える山ならば#2〜#0が選択の中心になると思います。
これだけの品質のダウンを使って、定価27,000円という値段はとても安く感じます。ダウンシュラフは一度買うと長く使えますので、災害時用にも揃えておいても良いかもしれません。
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