日帰りでもお湯を沸かせるセットを持っていくと、ハイキングやトレッキングのクォリティが一気にアップ。
休憩中にお湯を沸かして、淹れたてのコーヒーを飲んだり、カップラーメンを食べたりすれば心も体も本当に温まります。
けれど、アウトドアの環境では風が強い日もあり、そんな時はなかなかお湯が沸きません。そして、お湯を沸かしている間に、体が冷えてしまうなんていうことも。
そこでおすすめなのは、日本のメーカー新富士バーナーの「ソト(SOTO)マイクロレギュレータ ストーブ ウィンドマスター(以下ウィンドマスター)」。

セッティングが簡単で、強風下でも風に強く、低温時でも火力があり、さらに超軽量で扱いやすい、登山初心者の方からベテランの方までメリットだらけのバーナーです。
こんなにコンパクトなのに、機能満載で、これから新しくストーブを買うという方にもおすすめです。
ということで、本記事ではソト(SOTO)マイクロレギュレータ ストーブ ウィンドマスター(以下ウィンドマスター)をブログレビューします。

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SOTO(ソト) ウインドマスターはセットが簡単
簡単にセットできて、すぐに火を付けられるのがSOTO(ソト) ウインドマスターの特徴。
バーナーをガス缶にセットしたら、あとは好きな鍋を置くだけとセッティングがシンプルで時間がかかりません。
アウトドアの環境下でいかに早くお湯を沸かすかは、ストーブメーカーとしては重要な課題。
どのモデルも燃焼効率を高めてお湯を沸かす時間が短いのですが、中にはセッティングに時間のかかるものもあります。
お湯を沸かしたい!と準備を始めてから、かちゃかちゃと装置を取り出し、装着して、実際にお湯が沸くまでのトータルの時間を考えると、意外と時間がかかってしまうものも見受けられます。
事実、以前私が使用していた燃焼効率の速さが売りの人気モデルはお湯を沸かそうとしてから
- コンパクトにまとめられている一つ一つ取り出し
- バーナーをガス缶にセットして、
- さらにその上に専用の鍋をセットして点火
とセッティングに手間がかかり、お湯を沸かすのに時間がかかっていました。
実際にテーブルに器具を並べて一杯分のドリップコーヒーを淹れていみました。セッティングからコーヒー完成までたったの2分15秒。
コップ一杯分のお湯を1分40秒という速さで沸かしました。
初めて使った時はコーヒーをセットしている間にお湯が湧いてしまったので、この時は急いでセットしました。
そして、セッティングが簡単ということは反対に撤収も簡単ということです。
コーヒーを飲み終わったらさっと撤収してまた山登りを始められる。寒い時期だったら体が冷え切る前にすぐに次の行動を起こせるというのは、本当にありがたいことです。
いつもは山で温かいコーヒーを飲むのは一回だけだったのが、お湯を簡単に沸かせてしまうので2回も3回も飲めてしまう幸せもウィンドマスターがあってこそです。

SOTO(ソト) ウインドマスターは風に強い秘密はすり鉢状になったバーナ部分と低いゴトク
SOTO(ソト) ウインドマスターがお湯を沸かすスピードが早い理由は、風の影響を受けづらいバーナー部分にあります。炎が吹き出すバーナ部分が周りからの風を受けにくいように「すり鉢状に設計」されているのです。
このおかげで上に鍋を置くとバーナヘッドから鍋の間の隙間が非常に少なくなり、横からの風でも炎が吹き流されることが減り、燃焼効率を高めています。
また、背の低いゴトクもバーナ部分と鍋底の空間が狭くすることに一役買っており、風を受けにくくしている要因の一つになります。
また、さらにこの機構のおかげで、通常風を防ぐためのウィンドスクリーンを使用する必要がなくなり、荷物の軽量化にもつながります。
流石に強風下で全く風の影響を受けないわけではないので、そんな時はリュックなどの風防にしてしまえば十分なのです。
SOTO(ソト) ウインドマスターは湯沸かしに特化した一点集中の炎だけれど、慣れれば炊飯も可能です
さらに熱効率を高めているのが、一点集中型の炎の形状です。
炎が鍋底の真ん中へ集まり、そこから全体に広がる設計なので、まんべんなく鍋を温められます。
もちろん、炎の強さを最大にすれば、鍋底に当たった火が広がり、鍋の外へ逃げていきますが、そこは炎の強さを調整したり、鍋底の広いコッヘルを使うなどすれば、さらに熱効率を高めることができるでしょう。
この炎の形なので、どうしても鍋の中心に熱が集中してしまいます。お湯を沸かすのには最高なのですが、ご飯を炊いたり調理をしたりする時はやや炎の強さを中火以下に落としてあげると、焦げが少なく調理も可能です。
お湯を沸かす時はスピーディーに、調理をする時には少し抑えめにすれば、様々な料理にも対応可能です。

SOTO(ソト) ウインドマスターは低温下でも火力が落ちづらいマイクロレギュレーター機構
このSOTO(ソト) ウインドマスターのもうひとつの特徴が、低温下の環境でも火力が落ちづらいところです。
ガス缶タイプのバーナーは気化させたボンベ内の液体燃料を燃やすわけですが、液体が気化する際に周りの熱を奪います。そうするとガス缶の温度が下がってしまい、今度は液体を気化させるだけの熱が足りなくなり炎の燃焼力が下がってしまいます。
この欠点を解消したすごい仕組みがマイクロレギュレーター。
この仕組みは難しく、説明を聞いてもすべて理解できないのですが、ガス缶内部の圧力が高い時はガスの流出を抑え気味にして、逆に圧力が低いときはガスの流出を増大させるような謎すぎる機構が内部に仕込まれているとのこと。
バーナー内部に仕込まれたバネがこの機構を実現させているそうです。
このおかげで、通常燃焼力が落ちてきそうな低温時や継続して使用している時でも火力の低下が起こりにくくなります。
SOTO(ソト) ウインドマスターは超軽量級の67gでいつでも持っていける気軽さ
このウィンドマスターは超軽量級なのも見逃せないポイント。
なんとその重量はたったの67gです。
バーナーヘッドは金属の塊なので、大きくなるほど重量が重くなります。そして重たいバーナーは持って行くに躊躇してしまいます。
小型のガス缶とチタンのカップと合わせれば350gほどに収まります。500mlほどのサーモスが210gほどですので、わずかな重量差でいつでも熱々のコーヒーが飲めてしまうわけです。
さらに、驚くほどコンパクトで、重量も軽い設計で荷物の負担になりません。これだけの機能を踏まえた上に、軽量性もトップクラスというのはさらに驚かされます。
SOTO(ソト) ウインドマスターならお米も上手に早く炊ける

ほとんど欠点が見つからないほどの『SOTO(ソト) ウインドマスター』ですが、その一点集中の炎の性質のためにお湯を沸かす以外の調理に工夫が必要ということです。
例えばお米を炊くときも、うっかり目を離すと、あっという間に沸騰して、米が焦げ始めます。その他、炒め物なども鍋の中心を温め続けるので、頻繁に食材を動かさないと焦げ付きの原因になります。
ただ、すごいのがトロ火調理もできるように微妙な火加減を調節できるつまみ部分。他メーカーのバーナーの中にはつまみ部分の遊びが多すぎて、狙った火加減にできないものがあります。
ところがこのウィンドマスターは微妙な火加減でもピタリとつまみが止まってくれます。とろ火調理を意識して、つまみもしっかりとした作りになっているのでしょう。
少し慣れれば米を炊くのも、炒め物をするのも、煮込み料理を作るのも問題はなくなるでしょう。
マイクロレギュレータ機能付きの4本足五徳がおすすめ
SOTOのホームページを拝見すると、マイクロレギュレータ機能の付いていない廉価版の「アミカス」という似たモデルもありますが、長く使うならやはり「ウィンドマスター」がおすすめです。
さらに、標準では3本足の五徳がついているウィンドマスターですが、オプション販売している4本足五徳に替えておくと、十数グラム重量が増しますが少し大きめのコッヘルなどでも安定感が増します。
五徳は取り外し可能なので、バーナー本体とは別々に分けることもできますが、そのままつけっぱなしでもそれほど大きさが増えるわけではないので、私はいつも五徳はつけたままです。

まとめ:ソト マイクロレギュレーター ウィンドマスターは信頼できるストーブ
ふと気づくともう何年も愛用しているSOTO(ソト) ウインドマスター。さすがに点火スイッチは壊れてしまって今はライターで点火していますが、炎の色も綺麗なブルーで燃焼不良などの問題も起きていません。思えば今までノートラブルです。
軽量・コンパクト、高い燃焼効率とスピード性、セッティングの簡単さ、そしてアウトドアでもとても重要な頑丈さ、これ以上の製品が世に出てくるのはずっと先だろうと思わせてくれるほど、不満の少ないバーナーです。
このウィンドマスターを使い始めて、山でお湯を沸かしてコーヒーを飲む回数が増えました。強風下でもコメ炊きを失敗することが減りました。もうそれだけでも、山行のクオリティがぐっと上がります。
調理を要するテント泊の山行だけではなく、山小屋泊や日帰り登山時でもいつも連れて歩きたい高性能なストーブです。
確実に山のコーヒーの回数が増えてしまう「SOTOマイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター SOD-310」のご紹介でした。

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