動くと涼しく、止まれば温かくもなる、カリマーのthermal half zipはそんな夢のような、ベースレイヤー兼ミッドレイヤー。
その秘密は高い通気性と嵩高性のある素材「OCTA」にあります。
- 動くと風が抜け熱のこもりを防ぎ
- 立ち止まれば空気の層が体を保温
相反する機能をひとつに詰め込んだ素材なのです。
「Octa」は素材メーカー帝人の商品。
軽量・保温・吸汗・速乾を高いレベルで実現しています。
ふわふわに起毛した肌面の生地は最高に心地よく、汗をかいても汗冷えしにくく、さらにハーフジップタイプなので体温調整も楽で、寒い季節のトレッキングにぴったりです。
アウトドア雑誌では薄手のフリースに分類されていたり、ミッドレイヤーとして紹介されますが、肌触りや吸汗性能が素晴らしくて、僕はベースレイヤとして使うことが多いです。
ということで、本記事では高機能素材「Octa」を使用したカリマー の「thermal half zip」についてブログレビューします。
- 超軽量でLサイズ166g(実測)
- 保温性と通気性がある
- 抜群の吸汗性能で地肌に着ても汗冷えしにくい
- 体温調整しやすいハーフジップタイプ
- ストレッチ性が低い
- 価格がお高い(セール狙いで)
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カリマー 「thermal half zip」の特徴とスペック
カリマー 「thermal half zip」の特徴とスペックを見ていきます。
カリマー 「thermal half zip」の特徴
Lサイズで実測値166gと驚異的な軽さです。実際手にするとその生地の厚みに反してフワッとした軽さを感じられるはず。
予備の着替えとして考えても、これだけ軽く、さらに保温性があるので、頼もしいアイテムであることは間違いありません。
カリマー 「thermal half zip」のスペック
素材 | Octa ®(Polyester 100%) |
重量 | 170g |
商品番号 | 101296 |
サイズ | XS、S、M、L、XL |
価格 | ¥15,400(税込) |
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カリマー 「thermal half zip」のブログレビュー
それでは、カリマー 「thermal half zip」をブログレビューしていきます。
シルエットはレギュラーフィット
シルエットはレギュラーフィットで、程よいフィット感。メリノウールほど伸縮性はないので、あまりスリムすぎると動きを妨げる可能性があります。
コレ一枚で汗を良く吸い、ベースレイヤーとしての役割はじゅうぶんですが、普段からドライレイヤーを着用する方でも、サイズがあっていれば窮屈に感じることはないはずです。
胸元にシンプルにイギリスのアウトドアブランド「カリマー」のロゴがあります。全体的にデザインはシンプルで落ち着いています。
ハーフジップタイプで体温調整がしやすい(クルーネックタイプもあり)
ハーフジップタイプなので、体温が上がれば胸元のジッパーを開けて換気が可能です。
ちなみに、ジッパータイプではないクルーネックタイプも発売されています。
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背中側もシンプルな作り。
「Octa」を使い生地は薄いのに暖かい
カリマー 「thermal half zip」の生地は帝人が開発した「Octa」を使っています。
帝人「Octa」とは
穴の空いた中空糸に、8本の突起を放射線状に配列したタコ足型断面のポリエステル繊維です。
従来から中空糸はありましたが、8本の突起のおかげで、吸汗性能や嵩高性能が増大しています。
シャツの裏面がグリッドタイプのマイクロフリースのようになっています。
一部を拡大するとポリエステル繊維が密になっているのがわかります。
モール状の極細繊維が集まっている部分と疎になっている部分があり、その奥にはメッシュ状の記事が見えています。
生地自体を光に透かしてみると、裏側のグリッド状とメッシュの生地がしっかりと確認できます。(着ていても地肌が透けることはありません)
生地のオモテ側はこんな感じで、ところどころ通気する穴が空いています。
カリマー 「thermal half zip」をひっくり返し、裏側を見てみます。
このモヘアのような「Octa」が裏面全体にむき出し状態となっているため、地肌に直接着るとすぐに、暖かくなり、肌触りも優しく快適です。
ところが、ひとたび動いたり、風を受けたりすると、メッシュ状の生地をかせが通り抜け、寒さを感じるくらいに通気性が高いです。
吸汗性能も優れている
カリマー 「thermal half zip」は汗もよく吸ってくれます。
試しに、水滴の上に生地を置いてみると、一瞬で水を吸い上げオモテ側へ拡散してくれます。
この様に水分を吸い上げた後でもウラ側は触ってみるとサラサラです。
実際にトレッキング中に汗をかいても、肌へ汗が再付着するのを防いでくれるのが実感できます。
おかげで、その後の休憩時でも汗で体が冷えることが無く、またしばらくすれば体温で生地自体が乾いてしまいます。
ストレッチ性は高くないので、ちょうどよいサイズがおすすめ
カリマー 「thermal half zip」のストレッチ性はそれほど高くありません。
この点が少しだけ残念なのですが、サイズを選ぶ時はちょうどよいサイズを選ぶことをおすすめします。小さめサイズだと着るときに大変かもしれません。
筆者は身長180cm、体重71kgですが、今回はLサイズを選びました。
普段、ノースフェイス製品などもLサイズを選んでいるので、ジャパンサイズで考えればいいでしょう。
アジアンフィットな作りなのか、袖先も余ること無くぴったりでした。
細部の使いやすい工夫
その他、使いやすい細部を見ていきます。
肩部分はリュックを背負っても、ハーネスが干渉しないように縫い目の位置がずれています。
顎近くまで引き上げられるジッパーは、チンガードがつけられ金属の冷たさが伝わらないようになっています。
胸の部分にはポケットがつけられ、小物を入れることも可能。
ファスナーはつかみやすいようにコード付き。
その他、裾の後ろ側が長めに作られ、腰を屈めた時でもズボンからずり上がらないようになっています。
男女兼用のLサイズで重量は実測166gと超軽量です。
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カリマー 「thermal half zip」を使ってみた感想
実際に12月の関東近郊の低山ハイクに使用してみた時の感想です。
結果的には以下のようなレイヤリングで、快適に一日歩いたのですが、そこにたどり着くために試行錯誤しました。
- 地肌に直接(本品)「カリマー thermal half zip」
- 防風のためのレインジャケット「ノースフェイス クライムライトジャケット」
歩きはじめは、早朝の気温は0℃くらいだったので、カリマー 「thermal half zip」の性能もよく分からず、以下のようなレイヤリングでミドルレイヤー的に着てみましが、すぐに暑すぎることが判明。
- 「ベースレイヤー」:アイスブレーカー 200 ロングスリーブ
- 「ミドルレイヤー①」:カリマー thermal half zip(本品)
- 「ミドルレイヤー②」:パタゴニアのフリースR2
歩き始めて15分くらいで、すぐに汗をかきはじめたので、③のフリースを脱ぎます。そうなると、①ウールのベースレイヤーと、②カリマー 「thermal half zip」(本品)のみで歩くことに。
しかし、通気性がありすぎて、今度は逆にすぐ寒くなってしまいました。
どうしたものかと悩んだ末に思い切って、カリマー 「thermal half zip」(本品)をベースレイヤーとして使い、防風のためにレインジャケットである「ノースフェイスのクライムライトジャケット」の2枚のみで歩いてみました。
結局それが最適解だったようで、そのあとは上りも下りも、休憩時もそのスタイルで通すことができました。
昼食時など長めの休憩でも、寒さを感じず適温だったので、(風もなく日当たりも良かった)そのままの衣類で30分ほど過ごしました。
もし、風が強ければ保温着を足して休憩をしたと思いますが、それを差し引いても適応する温度が幅広いのが驚きです。
行動中に保温着を脱いだり着たりする煩わしさがほとんどなく、常に適温で快適でした。
ポイントは他のアイテムと合わせて通気性のコントロール
実際着用して、感じたのはカリマー 「thermal half zip」自体はかなり風を通す生地。シンプルに言うと、コレ単体だと寒いです。
しかし、ウィンドシェルやレインジャケットなどで外気をしっかりシャットアウトすると、とたんに衣類内部の暖かい空気を溜め込んでくれて、すぐに保温してくれます。
なので、ベースはカリマー 「thermal half zip」と風を通さないシェル等で歩き、ハイクアップで暑くなれば、シェルなどのジッパーを開けて通気を確保してクールダウン。
そして、寒くなればジッパーを閉めて、衣類内の暖かい空気を閉じ込める。そんな方法にたどり着きました。
もちろん気温によって、さらにフリースを足したり、アクティブインサレーションをもう一枚足したりと工夫が必要かもしれません。
しかし、ファスナーの開け締めで「換気」をコントロールするだけで、体温を適温に保つことができれば、保温着の着脱に時間と手間を取られることがなくなります。
実際、筆者も換気のコツを掴んだら、その繰り返しだけで、上りでも下りでも適温を上手に調整することができました。
汗をかいてもすぐに肌面がドライになる
さらに、汗を吸い上げる吸汗性能も優れています。
ハイクアップ中に汗をかくとすぐにカリマー 「thermal half zip」が吸い上げてくれ、肌面をドライな状態に保ってくれます。
けっこう、汗をかいた後でも肌面に濡れ感がないので「もう生地が乾いたのかな?」と、カリマー 「thermal half zip」のオモテ側を触ってみると、そこはまだしっかりと濡れています。
どうやら、生地のウラ側の起毛素材「Octa」が汗を吸い上げたあとに、しっかりと生地のオモテ側に汗を移動させているか、濡れた繊維と肌があまり接触しないようになっているようです。
生地のオモテ側は濡れているのに、ウラ側が濡れが少ないという不思議な感覚。
おかげで、汗をかいたあとに休憩しても汗冷えを感じることがありませんでした。
カリマー 「thermal half zip」のカラー展開
カリマー 「thermal half zip」は「ジッパー」と「クルーネック」タイプの2つがあります。カラーはブラックとグレーのみで男女兼用です。
カリマー 「thermal half zip」
体温調整がしやすいジッパータイプです。アウトドア使用がメインならばこちらが便利。
カリマー 「thermal crew 」
シンプルなクルーネックタイプです。
【最後に】カリマー 「thermal half zip」のブログレビューまとめ
一枚で通気性と保温性という背反する機能を持つカリマー 「thermal half zip」。
帝人が開発したOctaは想像以上に高機能で保温性、速乾性、吸汗性に優れていました。
シェルと合わせると保温性を発揮し、換気するとスッと体温を下げてくれる。また、汗をかいても肌面がドライで、汗冷えしにくいのも魅力です。
化繊のベースレイヤーは汗冷えしやすいというイメージを持っている方も、ぜひ一度は試してみると面白いかもしれません。
ということで、本記事はカリマー 「thermal half zip」についてのブログレビューでした。
⬇登山用アクティブインサレーションをもっと詳しく知りたい方は下記の記事が参考になります。